年次人事考課の欠点

多くの会社で、人事考課は一年に一回程度の頻度で、社員を評価するために行われています。そこでは、数値化された成績が知らされたり、評価ミーティングも行われるなど、皆様にもお馴染みかと思います。

このやり方には避けがたい欠点があります。代表的なところとしては以下の三点があげられます。

1.期間の長さ
一年間の全ての出来事を正確に記憶し、また、それを正確に評価に反映することが非常に難しい。どうしても直近のことが大きく評価されがちであったりして、公正感を損ないやすい。

2.数値評価
数値化された評価からは、人材開発面から考えた有益な対策につながりにくい。また、こういった評価は成果が正規分布〜ベル型カーブで分散していると前提していることが多いが、現実はそうではなく、正確さを欠きやすい。

3.情報の遅さ
フィードバックされる情報は、早めに伝えられておけばすぐに活用できる情報であることが多い。評価の対象となるポイントが、被評価者に長い間きちんと伝えられないということも起こる。

評価管理の見直し。欧米での例

欧米ではこういった欠点を受け、評価管理の方法を見直す動きが強まっています。先進的な企業では、人事考課を完全に廃止したところも伝えられています。では、これらの企業はどのように評価管理を見なおしているのでしょうか?

1.General Electric
昨年、GEが評価制度改革を行ったことは、グローバルな大企業であり、また長きにわたって旧来型の評価管理を続けてきたことを考えると、特筆すべきことでしょう。

下位10%が退職対象となる制度は既に廃止されていましたが、その基盤となる年次評価の仕組みは残っており、マネージャー層は1年に一回の評価ミーティングを行っていました。
しかし、新しいシステムでは、マネージャー層はより柔軟にコーチングを行い、定期的にフィードバックを行うようになりました。また、GEではそのためのアプリケーションも導入済みです。

2. Adobe
人事考課制度を改革して大きく話題になったAdobeですが、すでにその定期的フィードバック・チェックインプログラムの効果は数字となって現れており、制度改革後、自主退職が30%減る結果となったようです。また、あまり成果をあげていない社員の評価も頻繁に行うことにより、大きな効果を上げている模様です。

3. Accenture
Accentureも年次考課を廃止しより正確な方法を取り入れていっています。彼らもより即時のフィードバックを重視し始めており、マネージャー層と社員の間でフィードバックをやり取りするアプリケーションを使用し始めています。

4.Google
Googleでの評価方法は社員による目標設定が基盤となっています。OKR(objectives and key results)という手法を年々洗練させており、同社のDNAの一部となっています。

より人材開発を重視した評価手法へ

各社、様々な手法で見直しに取り組んでいる模様ですが、大きな流れとしては、人材開発・トレーニング・コーチングなどを重視した方向に向かっているようです。欧米ではこのような動きが広がっていますが、さて日本では今後どのようになっていくのでしょうか。状況を見守っていきたいと思います。